読売新聞 2023/9/2(土) 10:26

財政難に苦しむ山梨県市川三郷町が募集した町施設11か所のネーミングライツ(命名権)のスポンサーについて、応募企業がゼロのまま、8月末までの募集期間が終了したことがわかった。
制度の周知不足が背景にあるとみられ、町は9月29日まで再募集するほか、町内企業に文書を送って直接応募を呼びかける考えだ。(村岡拓弥)

町が命名権のスポンサーを募集しているのは、温浴施設「つむぎの湯」や伝統工芸・文化の継承を目的とする「地場産業会館(印章資料館)」、「歌舞伎文化公園」など。命名権の契約金は、施設の管理費に充てる。

市川三郷町は人口減や地場産業の衰退により財政難が続いており、財政規模に対する負債の度合いを示す「将来負担比率」が124・2%(2021年度)で県内の市町村でワーストとなっている。

命名権の募集は、町として新たな財源を探る中で、隣接する富士川町が町ますほ文化ホールの命名権を「はくばく」(中央市)に売却した事例などに倣い、新たな収入源とすることを目指して行った。
今年7月に基本方針を制定。施設に応じて50万~100万円の最低額を想定し、8月、月末まで約1か月間かけて、ホームページ上でスポンサーを募っていた。

しかし、いずれの施設も応募がなく、町政策推進課は「十分に制度が認知されていなかったのではないか」と原因を分析する。
そのため、町は来週以降、命名権の趣旨や募集施設を説明した文書を町内約300企業に発送し、町職員らが企業に出向くなどして売り込む方針だ。
同課の担当者は「制度導入に向け、1社でもいいから問い合わせをいただきたい」と話している。

募集対象の中には、官製談合事件の舞台になった「生涯学習センター」や、年間の利用者数が数百人にとどまる「市川手漉き和紙 夢工房」など、必ずしも宣伝効果が明確でないケースもある。

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