おじさん図鑑「推し」見つけて 福島・岩代観光協会、地域を支える20人パンフレットに 愛情とユーモアで人柄紹介

地域を支える中高年男性を紹介する「岩代 おじさん図鑑」。仕事や趣味に生き生きと活動する姿を伝える
 福島県二本松市岩代地区の岩代観光協会が、「岩代 おじさん図鑑」と題した一風変わった観光パンフレットを発行した。有名な観光スポットに乏しく、40歳以上の中高年男性が人口の4割を占める岩代地区。県外から移住した女性が、地域を支える「おじさん」に光を当てようと発案した。

県外から移住の女性発案 経験豊かで奥深いおじさんの人柄「岩代の光」
 A5判、フルカラー34ページ。飲食店やキャンプ場、図書館などに勤務する57~86歳の男性20人の横顔や半生を、1ページずつ充てて紹介する。「レベル65」などと年齢を表記し、「令和の花さかおじさん」「パークゴルフ場の小椋佳」といったユニークな表現が目を引く。


 発案した岩代観光協会職員の有野真由美さん(63)は岡山県出身。学生時代からレジャーで訪れていた福島への思いが高じて3年前に移住し、地区の地域おこし協力隊員を務める。

 インバウンド(訪日客)の通訳ガイドを務めていた有野さん。移住後は新型コロナウイルス下で観光の仕事が限られ、運営を手伝っていたパークゴルフ場で地元の中高年男性と顔を合わせる日々だったが、次第に人生経験豊かで奥深い人柄に親しみを感じるようになった。「観光は『地域の光を観(み)る』と言うが、岩代の光はおじさんではないか」とひらめいた。

 有野さんの取材に、おじさんたちはみんな快く応じてくれたという。編集は二本松市のデザイナー武藤琴美さん(34)、写真は川俣町の写真家古関マナミさん(38)が担当し、1年半かけて完成させた。

 図鑑にはおじさんたちの連絡先も記載。有野さんは「どの人にもチャームポイントがある。『推しおじさん』を見つけ、会いに来てほしい」と話す。

 図鑑は8月中旬に2000部発行。JR福島、郡山両駅構内にある観光案内所や福島空港で無料で入手できる。連絡先は事務局のメールiwashiro.ojisan@gmail.com

河北新報2023年9月6日 6:00
https://kahoku.news/articles/20230905khn000052.html