2004年の津山市・小学3年女児殺害事件で、殺人罪などに問われ、一、二審で無期懲役判決を受けた無職勝田州彦(くにひこ)被告(44)に対し最高裁が上告を棄却する決定をしたことが8日、分かった。山陽新聞社の取材に複数の関係者が明らかにした。

 関係者によると、決定は7日付。被告側が異議申し立てをしないか、申し立てをしても退けられれば無期懲役判決が確定する。被告の弁護人は決定について「現時点ではコメントしない」としている。

 一、二審判決では04年9月3日午後、被告は女児=当時(9)=の自宅に玄関から侵入。わいせつ行為をしようと首を絞めたが抵抗され、刃物で胸や腹を4回刺して殺害した。

 一審岡山地裁裁判員裁判では被告が無罪を主張し、捜査段階で殺害を認めた自白の信用性が争われた。地裁は遺体の傷の数や形状といった客観的事実と、自白した殺害状況が一致することを根拠に犯人と認定。二審広島高裁岡山支部も支持し弁護側が上告していた。

 事件は、女児が自宅1階で制服姿のまま倒れているのを家族が発見、その後に死亡が確認された。約14年後の18年5月、女子中学生に対する殺人未遂事件で実刑判決を受け、大阪刑務所に服役していた勝田被告が岡山県警の任意の事情聴取に関与を認めるなどしたため、逮捕に踏み切った。
(2023年09月09日 01時00分 更新)山陽新聞
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