【サンパウロ時事】南米コロンビアの著名な画家で彫刻家のフェルナンド・ボテロさんが15日、肺炎などのためモナコの自宅で死去した。91歳だった。コロンビア紙ティエンポなどが報じた。ふくよかで丸みを帯びた独創的な作風が最大の特徴。「南米のピカソ」と呼ばれ、日本を含め世界の美術館に作品が収蔵されている。

 1932年にコロンビア中部メデジンの貧困家庭に生まれた。闘牛士の養成学校に通いながら絵画を描いたのが原点。ルネサンス美術を学ぶなどして、やがて「ボテリズム」と称される自身の作風が生まれた。63年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で、丸顔の「12歳のモナリザ」が展示されると、一躍注目を浴びるようになった。
 創作意欲は晩年まで衰えず、生涯で残した作品は絵画で3000点を超える。コロンビアが誇る世界的巨匠の死去を受け、ペトロ大統領はX(旧ツイッター)で「われわれの伝統や欠点を描く画家、美徳を描く画家だった」と追悼した。

時事通信 2023年09月16日08時29分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023091600149&g=int