今春に全面改築された鈴木屋敷=2023年4月2日午前10時18分、和歌山県海南市提供
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 鈴木さん、移住しませんか――。和歌山県海南市には、東京圏に約75万人いるとされる鈴木姓を対象にした移住支援金の支給制度がある。「鈴木姓発祥の地」をうたう市のPRも兼ねた取り組みで、特定の名字の人を対象にした制度は珍しいという。

 支援の対象は、東京23区に住むか、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)在住で東京23区へ通勤する鈴木さんだ。

 種々の条件があるが、移住すると市から1世帯あたり100万円が支給され、18歳未満の帯同者がいると1人100万円が加算される。単身者の場合は60万円が支給される。

 鈴木一族は、平安時代の終わりごろに紀伊半島の熊野から現在の海南市藤白に移り住み、熊野の信仰を全国各地へ広める取り組みをしたといわれている。

 市は、この歴史を市の特色として生かそうと、「鈴木」支援金の制度を2021年から始めた。

 今年3月には、江戸後期に建てられた「鈴木屋敷」の全面改築工事が終了した。市では、改築をきっかけにして、市の知名度アップにつなげたい考えだ。

 市がインターネットなどで調べたところ、鈴木姓は全国に約180万人、東京圏には約75万人が住んでいるという。

 ただ、今のところ移住を決めた鈴木さんはいないという。市都市整備課の担当者は「名字に着目した珍しい制度で、海南市をアピールしたい。さらに、実際に鈴木さんが移住してくれたら、市も盛り上がるのではないか」と期待している。(寺沢尚晃)

10/4(水) 13:25配信
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