10/11(水) 12:43配信 産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/83f170fe5fd1228ca669a40f2f2e4603f60706a3

36人が死亡し32人が重軽傷を負った令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第12回公判が11日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。自作の小説を盗まれたとする被告の主張を否定した京アニの八田(はった)英明社長の証人尋問に関し、被告は「作品を読んでいないことはない」と改めて盗作を主張した。

前回公判で証人として出廷した八田社長は、被告が京アニ大賞に応募した作品は1次審査段階で落ちたと説明。「アイデアを盗んだりできる会社ではない」と明確に盗作を否定していた。

この日、弁護側が八田社長の発言について改めて被告に質問した。

被告は、好意を抱いていた京アニの女性監督のブログに自身の応募作に関する記載があったと訴え、作品は盗用されたと改めて主張。「(闇の人物の)ナンバー2がパクるよう京アニに指示した」と持論を展開した上で、盗作を否定した八田社長についても「立場上ああ言うしかない」との認識を示した。

続いて検察側の質問もあった。36人という犠牲者数について、犯行当時の認識を問われた被告は「(現場の第1スタジオに)らせん階段があるとは認識しておらず、1階だけが燃え広がったという認識だった」と述べた。その上で「多く亡くなったとしても、8人くらいだと思った」と話した。

刑事責任能力の有無や程度が最大の争点。検察側は、被告が応募した小説の落選を機に「アイデアを盗用された」と思い込むようになり、「筋違いの恨みによる復讐(ふくしゅう)」を決意したと主張している。弁護側は、精神疾患の影響による心神喪失か心神耗弱の状態だったとして、無罪または刑の減軽を求めている。