安倍元首相銃撃の公判前整理始まる 山上被告は出席せず - 日本経済新聞
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2023年10月13日 10:26

安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人罪などで起訴された山上徹也被告(43)の第1回公判前整理手続きが13日午前、奈良地裁で始まった。被告本人は出席しなかった。今後、初公判に向けた争点の絞り込みや審理日程の調整などが進められていく。

第1回手続きは当初、6月に予定されていたが、当日に不審な段ボール箱が地裁に届き金属探知機に反応したとして、地裁は期日の取り消しを決めた経緯がある。箱の中身は刑を軽くするよう求める署名の束で危険性はなかったことがその後に判明した。

弁護団によると、被告はこの時の手続きに出席する意向を示していたが、不審物騒ぎを受けて次回の出席は「よく考えてみたい」と話したという。

公判前整理手続きは非公開で、裁判所と検察、弁護側の3者が初公判に向けて争点を整理し、審理計画を立てる。関係者によると、初公判は来年以降で、裁判員裁判での審理となる見通し。

刑事責任能力の程度などが争点となる可能性があるほか、動機について被告がどう説明するかにも注目が集まる。

起訴状などによると、被告は2022年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の路上で手製銃を所持し、安倍氏に弾丸数発を2回発射して殺害。銃撃の前日には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設が入る同市内のビルに手製銃を発射し、外壁などを損壊したほか、複数の銃と火薬を無許可で製造したなどとされる。