秋田県内では13日もクマの出没が相次いだ。北秋田市ではクマに襲われて1人がけがをしたほか、仙北市角館町の市街地ではクマが木に登り、11時間以上にわたって居座った。

 北秋田市阿仁笑内の住宅敷地内で午前7時10分頃、栗拾いをしていた住人の女性(81)がクマに襲われ、後頭部と右肩に軽傷を負った。

 北秋田署によると、現場は秋田内陸線笑内駅から約200メートル南の栗林。女性の前に親子とみられるクマ2頭(体長約1メートルと約50センチ)が突然現れ、逃げようと後ろを向いたところ、背後から後頭部と右肩をひっかかれたという。女性は自力で帰宅し、近隣住民が119番した。

 近所の男性(75)は「(日が昇った)あの時間に襲われるとは。里に下りて来るクマは怖い」と話した。

 県警地域課によると、クマによる人身被害は今年40人目。これまで最多だった2016、17年の倍となった。

 一方、仙北市角館町では午前6時15分頃、同市の60歳代男性が自宅敷地にいるクマ2頭(いずれも体長約50センチ)を目撃した。その後、同じ個体とみられるクマ2頭が近くの医院敷地にある高さ約30メートルの木に登り、居座っているのが見つかった。2頭は午後6時までに木から下りた。

 現場近くの病院に通院しているという男性(58)は「こんな街中にも出てきて驚いた。今年は出没するクマの数が多い」と話した。

 田沢湖角館観光協会は、同市角館町でクマの出没が相次いでいることを受け、13日に始める予定だった武家屋敷通りの紅葉のライトアップの延期を決めた。開始日は現時点で未定という。

読売新聞 2023/10/14 17:40
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