米ドラマ『フレンズ』のメインキャスト、チャンドラー役の俳優マシュー・ペリーの突然の訃報が10月末に報じられた。
詳しい死因は明らかになっていないが、このニュースに反ワクチン活動家たちが飛びつき、SNSで誤った認識を拡散している。
【中略】

●悲報に飛びつく反ワクチン活動家
過去数年間で、反ワクチン活動家たちがこういった悲報に飛びつくようになった。
明確な根拠がないまま、あらゆる種類の「予期せぬ死」が新型コロナウイルスのワクチンの副反応によるものだと主張するのだ。
活動家たちは「#DiedSuddenly(突然死んだ)」というハッシュタグを使い、X(旧Twitter)で根拠のない説を広めようとしている。

この現象は、ソーシャルメディアに限ったことではない。右翼のラジオ司会者ステュー・ピーターズが2022年11月、映画『Died Suddenly』を公開し、誤情報を押し広げる新たな手段を生み出した。

今年1月、NFL選手のダマー・ハムリンが試合中に心停止を起こし、重篤な状態に陥った。Fox Newsの元司会者タッカー・カールソンはこのニュースに関して
番組でゲストの憶測に乗っかり、ワクチンによる心筋炎が原因だとメッセージを増幅させた。ハムリンの医師はのちに、心筋梗塞が原因だと断定している。

#DiedSuddenly運動は有名人を標的にすることが多い。これまでに、サッカージャーナリストのグラント・ワールや、リサ・マリー・プレスリーなどが一方的に関連付けられてきたが、一般人が狙われる場合もある。
愛する人の死因について嘘を広められ、遺族の日々はより暗いものになる。
顕著なのは、ジャーナリスト、ビリー・ボールの事例だ。ボールは今年初め、6歳の息子を事故で亡くした。
#DiedSuddenly信者は医学的証拠や良識をいっさい無視し、子どもの死の責任はボールにあると愚弄した。

#DiedSuddenly運動の新たなターゲットはマシュー・ペリーだ。
ペリーの死因は不明で、ワクチン接種履歴との関連を示す証拠もない。
しかし、訃報が世に出てから数時間で、ペリーのWikipediaページには死因とワクチンとの関連を想起させる記述が加えられていた。
すでに削除されているが、次のように書かれていた。

「ペリーは2023年10月28日に死亡。溺死したとみられている。COVID-19ワクチンの合併症によって溺死したかは不明である」

代替医療ブロガーのエリン・エリザベス、反イスラム活動家のローレン・ルーマー、右翼ソーシャルメディア・パーソナリティのフィリップ・ブキャナン(通称「Catturd2」)など
反ワクチン派もソーシャルメディアに飛びつき、ペリーの死とワクチンの副反応を結びつけた。

続きは WIRED 2023/11/01
https://wired.jp/article/matthew-perry-death-died-suddenly-conspiracy-theory-online/