11/9(木) 11:50配信
読売新聞オンライン

 化粧品大手のマンダムは来春にも、新たな仕組みの制汗剤を発売する。汗をかく際の仕組みに関する大阪大との共同研究で、制汗効果の向上が期待できる成分を確認した。従来は汗を分泌する汗腺を薬剤で塞ぎ、汗やにおいを抑えていたのに対し、新製品では、汗腺の働きを一時的に低減する技術の活用を目指す。

 両者の発表によると、漢方薬などに使われる生薬の「甘草(カンゾウ)」に含まれる成分「グリチルリチン酸モノアンモニウム(GMA)」に制汗効果があることを確認した。GMAは炎症やかぶれを抑える効果が知られているが、制汗効果を確認したのは初めてとしている。肌に塗ることで汗の量を4~6割抑えることが出来たという。

 マンダムの試験では、GMAをわきに塗った被験者6人に15分間、自転車をこいでもらい、発汗量を調べたところ、塗らなかった場合に比べて平均約6割の減少だった。手のひらに塗り、暗算する試験では、塗らない場合より4割抑えられた。

 従来の制汗剤は、汗で薬剤が流れて効果が薄くなることが課題で、マンダムの利用者アンケートでも、3人に1人が効果に満足していなかった。同社は「従来の技術と組み合わせるなどの工夫を凝らし、更なる制汗効果の向上を図りたい」としている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e553afcbe707aae0ee2f5f994d3ddad73ca9472