兄に放火を指示し、火災共済金をだまし取ろうとしたとして、現住建造物等放火と詐欺未遂の罪に問われた東京都練馬区の筒井俊被告(38)の裁判員裁判が10日、広島地裁(後藤有己裁判長)であった。検察側は「犯行の全体像を計画した」と懲役9年を求刑して結審した。判決は21日。

起訴状では、筒井被告は兄の誠受刑者(48)(懲役7年の実刑確定)と共謀して2019年12月、広島市東区の兄の自宅で灯油をまき、マッチなどを利用した時限発火装置で引火。兄宅や隣家を全焼させ、共済金3660万円を詐取しようとしたとしている。

検察側は論告で、アリバイ作りのため筒井被告が探偵物のアニメを参考に、兄に時限発火装置を作らせたと指摘。「被告名義の携帯電話に発火装置のトリックが登場するアニメの視聴履歴が残っていた」としたうえで、放火された時間帯に、長時間兄と通話していたことなどから共謀は成り立つとした。弁護側はアニメの視聴時間は短時間で「放火の手口は知り得ない」と主張。被告は共済金の受取人ではなく「犯行に関与するメリットが一切なく、事件とは無関係」と無罪を訴えた。

続きは読売新聞 2023/11/11 17:25
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