かつて世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治面で共闘した宗教法人「生長の家」の谷口雅宣総裁(71)が毎日新聞のインタビューに応じた。戦後の保守派に大きな影響を与え、日本最大の右派団体「日本会議」を生み出すもとにもなった教団だが、現在は政治運動と関係を断って今に至る。政治と宗教をどう考えるか。教団の軌跡や旧統一教会、右派運動との関係を交えつつ谷口氏に尋ねた。【聞き手・吉井理記】

■宗教団体を切り捨てる動きを注視

――まずは旧統一教会に対する政府の解散命令請求への受け止めを。

◆政府と自民党のやり方はおかしいな、というのが一番の印象ですね。自民党は統一教会から絶大な支援を受けてきました。両者の関係は昨日今日のものではありません。数十年にわたっています。それが安倍晋三元首相の銃撃事件で世間の厳しい目が注がれると、一転して「関係を断つ」と言い出した。そんな簡単なものなのでしょうか。政治家は不都合が起きると「官僚が悪い」「役所が悪い」と言いがちですが、今度は「宗教団体が悪い」と言ってぽんと切り捨てようとしているのではないか。これでは危ない。一連の動きを慎重に見ていく必要があります。

――「危ない」とは? 例えば政府は統一教会について@偽装勧誘をしたA「先祖の因縁により重大な不利益を被る」などと告げて不安をあおった、などと指摘していますが……。

◆私たちで言えば「偽装勧誘」はしていない。Aがポイントですね。そもそも宗教に救いを求める人は不安を抱えた人ですし、「重大な不利益」とは何かも主観に左右されます。実際、生長の家でも、…

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毎日新聞 2023/11/24 07:00(最終更新 11/24 08:55)
https://mainichi.jp/articles/20231123/k00/00m/010/043000c