●小児性愛者は「子どもと接する仕事」に就く傾向が強くなる
子どもの性的被害を防止するため、こども家庭庁の有識者会議は教育や保育現場への就労にあたり、性犯罪歴がないことを確認する「日本版DBS」の創設を提起した。
整理が必要な論点も多いとして臨時国会での法案提出は見送られたが、学校や学習塾などでの事件が後を絶たない現状、またジャニーズ問題も重なり
法制化を求める声は高まるばかりだ。性暴力加害者の再犯防止に取り組む、精神科医でNPO法人性障害専門医療センター(SOMEC)代表理事の福井裕輝氏に、日本版DBS導入にむけた課題点を聞いた。

大手中学受験塾の元講師による盗撮事件、東京・練馬区の区立中学校校長による性的暴行疑いなど、教育現場での性犯罪が相次いでいる。
警察庁によると、2022年における児童買春事犯等の検挙件数は2206件、検挙人員は1649人、被害児童数は1461人となっている(警察庁「令和4年における少年非行及び子供の性被害の状況」)。
だが明るみに出る被害は氷山の一角といわれる。

性暴力加害者の再犯防止に取り組む、精神科医でNPO法人性障害専門医療センター(SOMEC)代表理事の福井裕輝氏は、現状について次のように話す。

「一般人口の約5%が、子どもへの性的嗜好を持つ小児性愛者だというデータは、世界的に共通しています。
そうした人たちは、必ずしも初めから加害の意図を持っていなくても、子どもと接する仕事に就く傾向が強くなります。
そのため教育や保育の現場では、一般人口比より小児性愛者の比率が高いと臨床現場の経験から感じています。
子どもへの性的嗜好を持つ人が必ずしも加害者になるとは限りませんが、リスクは高まります。こうした話をすると、そんなに多いのかと驚かれます」

実際に性被害に遭っても親には言いづらかったり、とくに男児の場合は親が深刻に受け止めないなど、被害が表に出づらい現状があるという。「それでもしだいに全体の意識が変わってきたために、ジャニーズの性加害問題も明るみに出てきたのだと思います」と話す。

続きは 東洋経済education×ICT
2023/11/25 8:02
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