欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は27日、米アマゾンに対し、ロボット掃除機「ルンバ」で知られる米アイロボットの買収案について、警告的意味合いを持つ「異議告知書」を送付したと発表した。買収によって市場の競争が制限されるおそれがあるという。

 欧州委は今年7月から、買収が市場に与える影響を調査してきた。その結果、アマゾンは自社サイト上で、他のロボット掃除機の紹介ページにアクセスしづらくしたり、おすすめ商品として取り上げなかったりすることで、「ライバル製品を排除する能力を持つ」と告知書で指摘した。

 さらに、ルンバの利用時に室内の家具の配置や間取りなどのデータを収集し、利用者のライフスタイルを把握でき、自家用ロボットやIoT(モノのインターネット)家電の開発などに生かせることから、「利用者から収集されるデータも利益に含まれる」と指摘。買収で得られる利益の大きさを強調した。

 こうしたアマゾンの戦略は、ロボット掃除機市場の競争を制限し、消費者にとって価格上昇や品質の低下、イノベーションの減少につながる可能性があると結論づけた。

 異議告知書の送付は、EU合…(以下有料版で,残り151文字)

朝日新聞 2023年11月28日 9時29分
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