東京都内の食品会社で令和2年、調理機器の操作を担当していた男性従業員=当時(71)=が心筋梗塞で死亡し、労働保険審査会が過重業務による労災と認めたことが30日、分かった。遺族代理人の尾林芳匡弁護士が記者会見し、明らかにした。労働時間だけではなく、高齢で過酷な作業をしていた点を重視しており「画期的だ」と評価している。

尾林弁護士によると、厚焼き卵の製造に従事していた男性は2年7月、勤務中に倒れて翌月に死亡した。会社が卵を仕入れ過ぎたため製造量を倍増する必要に迫られ、数日にわたって深夜や休日勤務をしていたという。遺族は3年、労働基準監督署に労災申請したが、時間外労働が「過労死ライン」に達しておらず退けられた。

その後、労災の新基準が導入され、労働保険審査会に再審査を請求していた。

産経ニュース
2023/11/30 18:08
https://www.sankei.com/article/20231130-2CXCIPEUMVP5LEAOY2UP7WE3SY/