千代田区が一部住民への歩道・車道立ち入り禁止命令求め仮処分申し立て 「極めて異例で異常」抗議の声:東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/293435

2023年12月1日 18時51分

◆イチョウ並木伐採問題の「神田警察通り」

千代田区による仮処分の申し立てに憤る滝本幾子さん(中)

 東京都千代田区は、区道「神田警察通り」の道路工事でイチョウ並木伐採に反対する住民ら10人に、工事区間約230メートルの歩道や車道への立ち入り禁止を命じるよう求める仮処分を東京地裁に申し立てた。住民側は1日、都内で記者会見し「区が政策に反対する住民を生活道路から排除しようとしている。極めて異例で異常な申し立てだ」と抗議した。

 申し立ては11月15日付。申立書で区は住民らが昨年4月以降、作業員の制止を振り切って作業場所に入ったり、樹木に抱きついたりして「工事を妨害」していると主張。工事の予定時間の午後8時~翌午前6時に工事区間への立ち入りを禁止するよう求めている。

◆「夜に警察に相談に行けなくなる」

 住民側の大城聡弁護士は会見で「住民は伐採には反対だが工事には反対していない。切られる木の近くで伐採に反対の意思を示すのは重要な表現行為。禁止は憲法違反」と主張。通りには神田署があり、仮処分が認められれば「住民は夜に警察に相談に行けなくなる」とも訴えた。

 住民の滝本幾子さん(74)は「妨害していない。区に話し合いを求めている私たちを『妨害者』と呼び『住民』として扱わず、対立を広げている」と憤った。

 区は沿道のイチョウ32本のうち30本を伐採、2本を移植する計画。既に一部を伐採した。住民らは連夜、伐採への反対行動を続けている。(加藤益丈)


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