【ニューヨーク=金子靖志】国連安全保障理事会は8日午後(日本時間9日午前)、イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでの即時停戦を求める決議案を採決し、米国の拒否権行使によって否決された。

 反対したのは米国のみだった。日本やフランス、中国など13か国が賛成、英国が棄権した。決議案では、ガザの壊滅的な状況に深刻な懸念を表明し、民間人の保護や人質の即時解放を求めていた。

 アントニオ・グテレス事務総長が、ガザの人道状況が悪化しているとして、国連憲章99条に基づいて安保理に人道的停戦を要請していた。2017年の就任以来、グテレス氏が同規定を使って、安保理に要請したのは初めて。

 安保理は11月15日、戦闘休止を求める決議を賛成多数で採択した。同24日にはイスラエルとハマスの間で戦闘休止が実現したが、今月1日に戦闘が再開された。

読売新聞 2023/12/09 05:59
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