去年5月、神戸市の病院で26歳の医師が過労自殺した問題で、西宮労基署はこの病院の運営法人と院長らを違法な長時間労働をさせた疑いで12月19日に書類送検しました。

神戸市東灘区にある「甲南医療センター」の消化器内科の専攻医として勤務していた高島晨伍さん(当時26)が去年5月、自殺しました。

西宮労働基準監督署は、高島さんは亡くなる前に100日連続勤務し1か月間の時間外労働は207時間余りで、「極度の長時間労働により精神障害を発症し自殺した」などとして、今年6月に労災認定しました。

関係者によりますと、西宮労基署は19日、病院を運営する公益財団法人「甲南会」と具英成院長、当時の上司だった医師を、高島さんに労使協定を超えて違法な長時間労働をさせたなどの労働基準法違反の疑いで書類送検しました。

労基署は法人と院長らの認否については明らかにしていません。

遺族「未だ謝罪はおろか説明もらえず悲しみと怒りを感じる」

書類送検を受けて遺族は次のようにコメントをしました。

【高島晨伍さんのご家族が公表のコメントの一部】
 
「私たちは晨伍を亡くした後、甲南医療センターの今の対応のままでは「晨伍の死がうやむやにされてしまう」と感じ去年12月刑事告訴に踏み切りました。1年経過し、書類送検されたことに安堵する一方で、晨伍はもう二度と戻ってこないという現実に改めて向き合っています。未だ謝罪はおろか、晨伍の死に関する説明をしていただけない甲南医療センターの対応に悲しみと怒りを感じています。晨伍の死に真正面から向き合ってもらえず、労災認定を受けても過重労働などを否定する病院側の記者会見に大変な痛みを受けました。書類送検を経てもこの痛みが消えることはなく、甲南医療センターがどう体制を改めたのかを知るすべもなく、先の見えない暗闇に私たち家族は取り残されています」

「『1人の医師として、1人の人間として誠意ある対応をしてください』これは晨伍の通夜から一貫して同センターに対してお願いを続けてきたことです。晨伍が命をかけて示した過労死の問題から目を背けないでほしいです。このようなことを容認されては、医療界に大きなモラルハザードを起こしかねません。晨伍のような若手医師の過労死がおきてしまわないか、そんな想いです。私たちのような辛い思いをもう誰にも味わってほしくありません」

「書類送検で終わり、ではありません。今後適切な刑事処分が下され、司法の場で晨伍の死についてより明らかになることを望みます」

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12/19(火) 14:43 MBSニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/6434d7751ad4d6129436f54882957a955c2b8f84

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