政府の令和6年度当初予算案の概要が20日、判明した。一般会計歳出総額を112兆700億円程度とする。予備費などを圧縮し、当初予算案としては12年ぶりのマイナスになる。税収は69・6兆円程度と過去最大を見込むが、財源不足を補うため、国債を新たに34・9兆円程度発行して補う。

政府は当初予算案を22日に閣議決定する。当初予算案の一般会計総額は5年度予算まで11年連続過去最大を更新しており、前年を下回るのは平成24年度以来。ただ、2年連続で110兆円を超える巨額予算となる。

新型コロナウイルス禍で膨張した歳出を「平時に戻していく」とする政府方針に沿って、予備費を圧縮し、歳出を抑制する。

原油高・物価高騰対策などの予備費については令和5年度の5兆円から1兆円程度に削減。また、防衛費増額のために5年度に3・3兆円積んでいた「防衛力強化資金」も6年度は繰り入れがなくなる。

一般歳出の半分を占める社会保障費は、高齢化で膨張が続き、37・7兆円程度と過去最高を更新する。

国の借金である国債の返済費と利払い費を合わせた国債費は27兆円程度で過去最大となる。

国債費の想定金利は5年度の1・1%から1・9%に引き上げる。日本銀行の政策修正で長期金利が上昇しつつあることを反映し、17年ぶりの引き上げとなる。超低金利を前提としてきた財政運営は転換点を迎える。

一方、税収については1人当たり4万円の定額減税で目減りする一方、円安効果などで好調な企業業績が下支えとなる。

産経新聞 2023/12/20 20:24
https://www.sankei.com/article/20231220-ASJKPAN4VNMZ3B4GXHWPFXIIFE/