ダイハツ工業は26日、車両の認証試験での不正問題を受け、国内の完成車4工場すべてで生産を停止する。生産停止は少なくとも来年1月末まで継続する見通しだ。

 同社は25日、滋賀県、京都府、大分県にある完成車工場の生産を停止し、26日には本社工場(大阪府池田市)も停止する。これにより、国内生産を全面的に停止することになる。

 同社は生産停止によって影響を受ける取引先への補償を実施する方針だ。対象は同社と直接取引のある部品の仕入れ先423社。同社が既に発注した部品の代金を支払う形で補償を行う。直接取引のない2次下請け、3次下請けなどに対しても「きめ細かく対応したい」として、直接取引のある企業を通じた支援を検討するとみられる。

「車両の使用を中止する必要はない」
 国内に約800店舗ある直営販売店を運営する販売会社は中古車販売などの営業を続けるほか、顧客対応を行う。20日の記者会見以降、顧客から「今乗っている車は安全なのか」といった問い合わせが数多く寄せられている。同社は25日、親会社のトヨタ自動車とともに実施した社内調査の結果、「車両の使用を直ちに中止する必要はない」との見解を改めて示した。こうした見解を記載した説明資料を販売店に配布したほか、ダイハツの担当者を販売会社に配置して対応をサポートする。

 また、新車購入のキャンセルを求める顧客に対しては、返金を含め個別に応じる方針だという。

 一方、インドネシアとマレーシアの工場は25日までに稼働を再開したと発表した。出荷に当たっては、販売先となる各国当局の認証を得る必要があるが、社内調査で安全性が確認されたことなどを説明し、両国のほか、一部車種についてタイ、ベトナムの当局から理解を得たという。【加藤結花】

毎日新聞 2023/12/25 19:33(最終更新 12/25 20:32) 732文字
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