鹿児島県枕崎市のかつお節工場で働く外国人技能実習生の受け入れ監理団体で人権侵害が疑われる行為が発覚した問題で、元実習生のフィリピン人女性4人が25日、不当な行動制限で精神的苦痛を受けたなどとして枕崎水産物振興協同組合などに約970万円の損害賠償を求め鹿児島地裁に提訴した。

訴状などによると、4人は2018〜23年、技能実習生として同市のかつお節工場にそれぞれ半年〜3年半勤務した。組合が提供する宿舎では技能実習法の規則が義務付ける1人当たり4.5平方メートル以上の広さの寝室は与えられず、16人の相部屋の2段ベッドで就寝。露出度の高い服の着用や市外への外出の禁止など過剰な行動制限を受け、違反すると反省文を書かされたり長時間立たされたりすることもあったという。

原告の30代女性は痔(じ)を発症した際、組合の女性職員から患部を見せるよう求められ、他の職員がいる事務所内で患部を露出させられたと主張している。

提訴後、代理人弁護士がオンライン会見を開き「枕崎での生活はひどいもので失望した。法廷で正義が勝つことを期待している」と原告のコメントを代読した。

組合は「訴状が届いていないためコメントを差し控える」としている。組合は実習生の家賃などを実費よりも多く給与から天引きしたなどとして、4日付で厚労省と法務省から改善命令を受けた。

南日本新聞 2023/12/26 07:03
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