秋田県仙北市のJR田沢湖駅前の物産館「田沢湖市(いち)」にある自動販売機の冷凍クマ肉の人気が、じわじわと高まっている。

市内で有害駆除されたツキノワグマの肉を使っており、1週間の販売数は昨シーズンのほぼ2倍に上る。
今年、何かと世間を騒がせたクマだが、関係者は「秋田の新たな土産に」と期待する。

自販機は市内で温泉宿とそば店を営む佐藤大志さん(50)が設置し、250グラム2200円で販売する。宿などで試験的に提供してきたクマ汁が好評だったため、昨年11月に県の補助金を活用して自販機を導入し、本格販売に乗り出した。

クマ肉は独特の脂があり、食感は硬い牛肉に似ている。そのため煮込みや汁物にするとおいしく、焼き肉にする場合は薄く切るのがポイントという。

地元の猟友会が捕獲後に処理した肉を会のメンバーから仕入れている。購入後、3時間程度は室温でも凍った状態を保つことが可能で、首都圏まで秋田新幹線を利用する観光客らの需要に応える。

購入者の7、8割は田沢湖駅を利用する観光客という。昨シーズンの販売数は多い週で7~8パック、シーズン全体では約40パックだったが、今シーズンはこれまでに多い週で15パック程度が売れた。最終的には100パックを超えそうな勢いという。

今季、秋田県内ではツキノワグマの出没件数が多く、クマ関連の話題がニュースなどで流れる機会が増えた。自販機は地元マスコミで取り上げられたほか、動画投稿サイト・ユーチューブでも紹介され、人気が高まったとみられる。

佐藤さんのもとには通信販売を求める声も寄せられるが、「実際に田沢湖地区に来て買ってほしい。そして、仙北市と秋田県の魅力と豊かな食を実感してほしい」と話す。来年春まで販売する予定。

【画像】売れ行き好調な冷凍熊肉の自販機と佐藤さん(河北新報)
https://tadaup.jp/c0b23348.png

[河北新報]
2023年1月3日(水) 16:34
https://news.yahoo.co.jp/articles/2925549bffafc3864a782a1e61f0e4728fc5573d