石川県能登地方で発生したマグニチュード(M)7・6の地震について、東北大の遠田晋次教授(地震学)は9日、能登半島北側の活断層帯が連動し、強い地震を引き起こしたとの見方を示した。今回の地震の規模は、この地域で3000〜4000年の間隔で発生するものだったという。仙台市の東北大で開かれた報告会で概要を発表した。

地震では、半島で約4メートル隆起した地点が確認されるなど大規模な地殻変動が起きた。この一帯は平均して年間1ミリ・メートルほどの速度で隆起することなどから、遠田教授は今回の地震の発生間隔を3000〜4000年程度に1回の規模と推定した。

半島北側には北東から南西に長さ100キロ・メートル余りの活断層帯がある。政府の地震調査委員会は2日、「長さ150キロ・メートル程度の断層がずれ動いた可能性がある」との見解を示したが、活断層帯との関連は不明としている。一方、国土交通省の有識者会議が2014年にまとめた報告書では、活断層が連動してずれ動けば、今回と同じ規模の地震が起きると予想していた。

遠田教授は「日本海側は活断層の密集域で、長期評価や強震動評価を行う必要がある」と指摘。今回の地震が半島南西側の活断層に影響し、別の地震の発生確率が高まる可能性もあると報告した。

読売新聞 2024/01/10 00:15
https://www.yomiuri.co.jp/science/20240109-OYT1T50272/