世界有数の「地震大国」というわりに、なぜこの分野はいつまでも進歩しないのか。

 1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」による被災者の多くが、いまだ体育館に身を寄せて、冷たい床にマットを敷いて雑魚寝をするような形で過ごしていることだ。

●外国人から「クレイジー」と絶句される日本の避難所
 これは続発する地震で恐怖や不安のどん底に追いやられて、体やメンタルがボロボロになっている人々が過ごすにはあまりに過酷な環境だ。実際、避難所に身を寄せたことで「2次被害」ともいう経験をしている人が少なくない。

地震後に近くの学校に避難した自営業の50代男性は「被災者で混み合い玄関で寝るしかなかった」と話す。一夜を明かした後は帰宅して発電機と備蓄していた水や食料でしのいでいる。「余震は怖いが、人の多い避難所では気持ちが落ち着かない」』(日本経済新聞 1月7日)

気持ちが落ち着かないどころか最悪、命まで奪われてしまう。石川県が1月9日に発表したところによれば、珠洲市内で避難生活に伴う体調悪化などで亡くなる「災害関連死」が6人発生しているという。ただ、このような悲劇は起こるべくして起きている。

実は以前より日本の避難所は、先進国の中でもかなり劣悪な環境だという指摘が多い。避難所の環境改善を訴えている新潟大学大学院 医歯学総合研究科 特任教授の榛沢和彦氏は、過去のインタビュー記事『「体育館を避難所にする先進国なんて存在しない」災害大国・日本の被災者ケアが劣悪である根本原因』(プレジデントオンライン 2022年3月10日)の中でこのように述べている。

続きはYahooニュース ITmediaビジネス 2024/01/10
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