約800年の歴史を誇る冬の守山の風物詩「勝部の火祭り」に、今年初めて女性が参加する。

祭りを取り仕切る松明(たいまつ)組は「これまで祭りは女人禁制だったが、今はそんな時代ではない。伝統を引き継ぐためには新しいことも必要」と力を込める。

火祭りは鎌倉時代初期、土御門天皇の病気平癒を勝部神社(滋賀県守山市勝部1)で祈願した際、境内に現れた大蛇を退治して焼くと病気が快癒したという故事にちなむ。
大蛇に見立てた長さ約5メートルの大松明12基を境内で燃やし、地元の中学生から34歳までの男性が、ふんどし姿で乱舞しながら無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る勇壮な祭りだ。

神社はJR守山駅に近く、周辺はタワーマンションが立ち並ぶ住宅街となっている。新しい住人も増えたことから、松明組は後継者養成のため昨年5月から松明作りなどを体験する親子教室を開催し、女子小学生も4人参加した。

松明組の田中淳組長(34)は「子供の頃の祭りの思い出は、大人になった時、守山に帰ってくる理由になる。そこに男女の別はない」と、火祭りの前に大松明が町内を練り歩く際、私服に白い法被姿で大松明の前を行く提灯(ちょうちん)持ちとして、4人に祭り本番に加わってもらうことにした。
田中さんは「最近はふんどし姿を嫌って祭りに参加しない男の子も増えている。それを法被姿でも良しとすれば女性も含めて祭りに参加しやすくなり、いずれ女性版の大松明もできるかもしれない」と語った。

提灯持ちを務める市立守山小5年の石川明日香さん(10)は「松明は縄の結び方も細かく決まっていて、歴史を感じる。その祭りに参加できるのはすごいこと。頑張りたい」と目を輝かせた。

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【画像】
※大松明の炎の前で勇壮に乱舞する若者たち=滋賀県守山市勝部1の勝部神社で2023年1月14日、松明組提供
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[毎日新聞]
2024年1月11日(木) 11:11