【台北=園田将嗣】13日の台湾総統選と同時に行われた立法委員(国会議員、定数113)選で、与党・民進党は過半数を獲得できなかった。国民党が立法院(国会)の第1党となり、少数与党に転落して「ねじれ」状態となる民進党は、予算案や法案の審議で野党に抵抗され、政治が不安定化する可能性がある。

 民進党は前回(2020年)と前々回(16年)の立法委員選では過半数を獲得。議会第1党として盤石な政治体制を敷き、蔡英文(ツァイインウェン)総統の政権運営は安定した。ねじれ議会となるのは、00~08年の陳水●政権以来、16年ぶりとなる。頼清徳(ライチンドォー)副総統は今回、「総統と副総統はハンドルを握る運転手で、立法院はエンジンだ」とし、総統当選と立法院の過半数確保の両方を目指す方針を示していた。(●は「編」のつくり)

 だが、内政の課題に適切に対応できていないとの批判を受け、党が関係する不正や不祥事も相次いだことから、厳しい戦いを強いられた。現有の62議席から大きく減らし、過半数(57議席)にも届かなかった。

 国民党は、22年11月の統一地方選で大勝していた。今回の立法委員選では激戦区や民進党が地盤とする選挙区で、若手候補者を中心に接戦を繰り広げた。政策立案能力を高めるため、軍事や少子化問題、生成AI(人工知能)など、幅広い分野の専門家を擁立した。

 第3政党の台湾民衆党も、現有5議席を8議席に伸ばし、キャスチングボートを握ることになる。政権与党側の政策や法案などに是々非々で対応していくとみられる。国民党は選挙中から民衆党に協力を呼びかけており、選挙後も駆け引きが続くと予想される。

1/14(日) 10:37配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/53249220299b1e13422e33102e24111d473a97e8
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台湾の総統選挙から一夜、与党・民進党の頼清徳氏が勝利しましたが、今後の政権運営には厳しい見方も出ています。台北から報告です。

 13日も有権者による大規模な集会が開かれていましたが、14日は一転、祭りの後の静けさといった雰囲気です。(李志善記者報告)

 台湾メディアは、選挙の結果を大々的に報じています。ただ、勝利した民進党の頼清徳氏は過半数は取れず、日本の国会にあたる立法院も過半数割れしたため、議会の運営は難しくなります。

 一方、国民党は第一党となり立法院の主導権を握ります。

 民衆党は、既存政党への不満を背景に議席数を伸ばし第三勢力としてキャスティングボードを握ります。

 市民に話を聞くと「政治の停滞を招くかもしれないがこれも台湾の民主主義の表れだ」との声が上がりました。

 当選した頼氏は5月に新総統に就任します。米中との関係や経済対策など早速、難しいかじ取りを強いられそうです。

1/14(日) 12:26配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/39f2014a0879510d2bcadc01eb7822f996278a1b
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240114-00000015-ann-000-3-thumb.jpg