熱したフライパンで知人女性に大やけどを負わせたとして、傷害罪に問われた大津市、無職の男(26)、同市、無職の女(33)両被告に対し、地裁(西脇真由子裁判官)は15日、いずれも懲役2年6月、執行猶予5年(求刑・懲役2年6月)の判決を言い渡した。公判では女性が頭髪を丸刈りにさせられるなどの被害に遭っていたことが明らかになった。

 判決などによると、両被告は共謀。2022年7月7日深夜、女は、自宅で知人の女性(25)の尻や脚に、熱した高温のフライパンを押しつけ、全治約2か月のやけどを負わせた。男はビデオ通話で女に(暴行を)指示し、主導的立場にあったとした。

 西脇裁判官は、高温のフライパンが体の2か所にそれぞれ5秒程度押しつけられていたとして「危険性が高く、残虐」と指摘。被害女性がゲームで目標を達成できなかったことがきっかけだったとして「身勝手な動機」と両被告を非難した。

 また、女性は男からたびたび暴行を受けており、頭髪を丸刈りにさせられたとして「男の顔色をうかがうような、支配される関係にあった」と指摘。女もその関係性を認識しており、「2人の刑事責任は相応に重い」と指弾した。

 一方、両被告が謝罪の言葉を述べ、被害弁償の一部がされていることなどから執行猶予付きの判決とした。

読売新聞オンライン
2024/01/16 10:58
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240116-OYT1T50038/