自民党安倍派の裏金事件について、同派有力幹部「5人衆」の一人である萩生田光一前政調会長が国会内で記者会見を開いた。萩生田氏は2018年から22年までの5年間で政治資金収支報告書に不記載の裏金額が計2728万円にのぼることを明らかにした。事務所スタッフが管理していたとし、「毎年の政治資金収支報告書の提出前に、おおむねの報告を聞く程度で詳細まで把握をしていなかった」と釈明した。

 萩生田氏は「派閥を含む政治団体のガバナンス不全が露呈したものであり、結果、国民の政治不信を招いたこと、政治に携わる者として強く反省している」と陳謝した。議員辞職や離党は否定した。

 裏金の主な使途については2点だったとし、国会議員や外国要人などとの会合費、文部科学相や経済産業相、政調会長時代に外遊した際の政務活動費だったと説明。「私的なものに使うといったことや、選挙に関連する支出はなかった」と述べた。裏金は現金で安倍派事務局から受け取り、萩生田氏の事務所スタッフが「自分の机の鍵付きの引き出しで保管していた」などと説明した。

 萩生田氏は、安倍派が解散方針を決めた19日の議員総会には、地元・東京都八王子市長選への対応を理由に欠席し、「後日、説明する機会を設けたい」とコメントしていた。
朝日新聞社

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