【「移民」と日本人】クルドの祭りに「県の公園貸すな」 音楽が「テロ賛美」指摘も、川口のPKK支援団体が主催 - 産経ニュース
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2024/1/23 13:46

新年の祭り「ネウロズ」で、伝統音楽に合わせ踊る在留クルド人ら。旗はクルドの旗=昨年3月、さいたま市

埼玉県川口市などに在留するトルコの少数民族クルド人の団体が、県営公園で民族の祭り「ネウロズ」の開催を計画したところ、公園を管理する県の外郭団体が「楽器演奏の禁止」を条件に許可する方針を示し、支援団体などが「ネウロズでは音楽と踊りは一体のものだ」と反発する事態となっている。

祭りを主催する川口市の一般社団法人「日本クルド文化協会」は、同国の非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」に資金提供しているとして昨年11月、トルコ政府が「テロ組織支援者」と認定、トルコ国内の資産が凍結されている。また、祭りで演奏される民族音楽がテロを賛美する内容との指摘もある。

公園を管理する外郭団体の埼玉県公園緑地協会によると、昨年7月、殺人未遂事件をめぐるトラブルをめぐり、クルド人約100人が川口市内の市立病院周辺に殺到した事件以降、同協会に「クルド人に県の施設を貸すな」といった電話やメールが複数寄せられるようになった。

今月に入ってクルド人支援団体から今年3月の開催について許可申請の相談があり、同協会側が「楽器演奏の禁止」を条件にしたところ、支援団体は「音楽と踊りは一体だ」と反発。同協会と協議を続けている。

支援者らによると、ネウロズはクルド人の新年祭にあたるもので、埼玉県内では約20年前から毎年3月に行われてきた。民族衣装を着た参加者が民族楽器による伝統音楽に合わせて輪になって手をつなぎ踊る。

コロナ禍で中断を挟んだが昨年、さいたま市桜区の県営秋ケ瀬公園で復活、今年も3月20日ごろ、同じ公園で開催予定という。

同協会は「公園内ではそもそも楽器演奏を禁止しており、ルールを徹底するだけ」と説明した。さらに、「花見客が多い時期で、万一騒動になったら一般利用者や職員の安全を守れない。支援団体には『できれば他の場所で開催してほしい』と伝えた。法令や判例にも照らしたが、公園の使用は相当の理由がない限り平等の観点から許可せざるを得ない」としている。

一方、祭りを主催する日本クルド文化協会はトルコ政府から「テロ組織支援者」と認定されている。また、祭りで例年歌われている歌の中にはテロを賛美する歌詞が含まれていると指摘されており、例年の祭りではPKKなどの旗が掲げられていたという。

日本クルド文化協会の担当者は、歌詞のテロ賛美との指摘については「日本で言えば軍歌のようなもので、戦いの歌だ。愛国者の歌がテロリストの歌と誤解されている。祭りの音楽も日本で言えば盆踊りのようなものだ」。

支援団体の代表者は「音楽の禁止は公園の使用禁止と同じこと。事なかれ主義だ」と話している。

公園緑地協会は「テロ支援の件は認識しているが、トルコ国内での問題であり日本国内で取り締まりを受けたわけではない。旗についても認識しているが、公園の禁止事項ではないため、表現の自由もあり、使用を控えるようお願いレベルで伝えることになる」と話した。