11月の米大統領選に向けた共和党候補指名争いは、ドナルド・トランプ前大統領(77)が第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選でも勝利し、党候補指名に向けて前進した。ただ、ニッキー・ヘイリー元国連大使(52)を圧倒することはできず、党穏健派や無党派層からの不人気という弱点も浮き彫りになった。

 「(予備選後に)まるで勝ったかのように演説していたが、彼女は負けたのだ」。トランプ氏は23日夜の勝利演説で、ライバルの批判に大半の時間を割いた。完勝した15日の中西部アイオワ州党員集会後に「ニッキーもよくやった」とねぎらう余裕を見せたのとは対照的で、事前の予想よりも差を詰められたことに、いら立ちをあらわにした。

 トランプ氏の陣営は、序盤戦で他の候補を圧倒して選挙戦の継続を断念させ、早期に決着をつける戦略を描く。初戦のアイオワ州党員集会後には、フロリダ州のデサンティス州知事や実業家のラマスワミ氏が撤退し、トランプ氏への支持を表明。保守派を束ね、ニューハンプシャー州でのヘイリー氏との一騎打ちも制した。同州マンチェスターで投票したティム・パーディーさん(54)は「仕事を解雇されたが、トランプ前政権下では経済が好調で、暮らし向きも良かった」と期待を示す。

 1980年以降、共和党の候補指名争いで、序盤2州で連勝したのは現職以外では初めて。第3戦の西部ネバダ州党員集会(2月8日)はヘイリー氏が不参加を決めており、「3連勝」は既定路線で展望も明るい。

 党内外でも、候補指名争いは事実上決着したとの見方が広がる。既に撤退したスコット上院議員は、23日のトランプ陣営の集会で「トランプ氏の周りに共和党が結集する時だ」と強調。本選で対決する可能性が高い民主党のジョー・バイデン大統領(81)も23日夜の声明で「(トランプ氏が)共和党指名候補になるのは明らかだ」と指摘した。

 ただ、トランプ氏は…(以下有料版で、残り548文字)

毎日新聞 2024/1/24 18:34(最終更新 1/24 21:15)
https://mainichi.jp/articles/20240124/k00/00m/030/254000c