所属議員や会計責任者が政治資金規正法違反の疑いで立件された自民党の安倍派に所属する大西英男衆院議員(衆院東京16区)は25日、党本部で臨時総務会に出席後、記者団に「安倍派の主要幹部は十分責任を果たした。党内にこれ以上の責任を求める声は、ほとんどない」との持論を展開した。
◆「党内でこれ以上の責任を求める声は聞いたことない」
 大西氏と記者団の主なやりとりは次の通り。
 記者 安倍派幹部の処分についてどう思うか。
 大西氏「自ら記者会見を開いて(裏金の)使途までも含めて明らかにしている。閣僚や党役員も辞職している。十分責任を果たせたと思う。党内にこれ以上の責任を求める声は、ほとんど直接聞いたことはない」
 記者 派閥幹部の責任について総務会で議論はあったか。
 大西氏 「行われていない」
 記者 政治改革の中間取りまとめは、信頼回復に十分な内容か。
 大西氏 「私は安倍派にいながら一銭の還流も受け取っていない。このままの姿勢で改革の先頭に立つ」
 記者 派閥幹部の政治責任の取り方は、どのようなものがふさわしいか。
 大西氏「われわれは選挙で選ばれた人間だ。次の総選挙で審判を問う。萩生田光一前政調会長でいえば、東京都八王子市長選で野党が市政に全く関係ない政治とカネの問題を総がかりで批判してきたが、それを乗り越えて(自民の推薦候補が)勝ち抜いた。それは国民の審判を受けたと捉えている。西村康稔前経済産業相は寒い中、駅前で(釈明の)ビラ配りをしているそうだ」
◆松野前官房長官と高木前国対委員長は会見せず
 安倍派から政治資金の還流を受けていたことが判明している幹部「5人組」のうち、自身が受け取った還流について釈明の記者会見を開いたのは萩生田氏、西村氏、世耕弘成前参院幹事長の3人。いずれも「詳細は把握していなかった」などのあいまいな説明に終始し、現時点で離党や議員辞職は表明していない。
 また萩生田氏の会見は他の2人が会見を開いた19日ではなく、自身の地元で行われた八王子市長選の投開票日後の22日だった。
 松野博一前官房長官と高木毅前国対委員長は、自身の資金問題を説明する会見を実施していない。(大野暢子)

東京新聞 2024年1月25日 18時14分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/305162