山梨県が今夏から導入を検討している富士山の通行料について、原則1人2000円で調整していることが30日、関係者への取材で分かった。

 山頂付近の混雑や弾丸登山の抑制が目的で、同県側の5合目登山口(吉田口)にゲートを設置し、1人1000円の保全協力金(任意)とは別に徴収する。県は地元関係者などと調整した上で、2月の県議会に条例案を提出する方針。

 通行料は7月の山開きから適用される見通し。関係者によると、開山期間中(7月~9月上旬)は午後4時から翌日午前3時までゲートを閉鎖し、1日の登山客が4000人を超えた場合も閉じる。山小屋宿泊者は通行規制の対象外になる。

 富士山は2013年に世界文化遺産に登録。山梨、静岡両県は翌14年、環境保全や登山者の安全対策に充てようと任意の協力金を導入した。

 山梨県が新たに導入する通行料は原則義務で、ゲートの維持や噴石・落石から身を守るシェルターの設置などに充てられる。

 環境省によると、昨夏の富士山登山者数は約22万1000人で、新型コロナウイルス感染拡大前の19年とほぼ同水準だった。このうち吉田口からの登山者が6割を占めており、登山道で寝袋に入って仮眠するなどのマナー違反も見られた。地元の富士吉田市などは規制の必要性を訴えている。 

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