※1/31(水) 19:50配信
毎日新聞

 天台宗の60代の男性僧侶から暴力やどう喝などを受けたとして、四国地方の尼僧(55)が31日、東京都内で記者会見し、天台宗務庁(大津市)に対し、男性僧侶らの僧籍の剥奪を求めて懲戒処分を申し立てたと発表した。

 男性僧侶は31日、毎日新聞の取材に対し、「(コメントは)差し控えたい」としている。天台宗務庁は「懲戒申告書を受け取りましたが、どのように対応するかは協議中です」と回答した。

 尼僧は、代理人の佐藤倫子弁護士とともに、法名を明らかにし、顔を出して、会見に臨んだ。懲戒申告は22日、文書で天台宗務庁に通知した。

 佐藤弁護士によると、女性は、尼僧の資格を持たない2009年に母親を亡くし、弔いのために親戚の僧侶を訪ねると、弟子の60代の男性僧侶を紹介されたという。

 その後、四国地方の男性僧侶の寺を訪れたところ、執拗(しつよう)に連絡が来るようになった。どう喝を受け、複数回にわたり性行為を迫られ、10年3月ごろから、寺に住み込むように強要。宗教界で権威のある親戚僧侶の紹介だったため、逃げられなかったという。

 17年10月に公的な機関を頼り、いったんは逃げ出した。親戚僧侶の寺で19年11月に得度(出家)し、尼僧となる。

 親戚僧侶から男性僧侶の寺に戻るように諭され、尼僧は19年12月、過去の被害について男性僧侶が認めたとする念書に押印させた上で戻った。

 さらに念書には、性行為や人格を否定するような言動や暴力、どう喝などを繰り返さないことを誓約させ、誓約を破った場合は、僧侶の資格を剥奪することに同意すると記している。

 しかし、暴行やどう喝などの被害は続いたという。

 佐藤弁護士は、尼僧について「性加害や暴行などで心理的に監禁され、寺から逃げられなかった。正常な判断ができず、マインドコントロールされていた」と説明。17年12月に複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)とうつ病の診断を受けている。

 尼僧は23年1月、別の親族の説得に応じて寺からようやく抜け出せた。

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