これから4年間の県都のリーダーを決める前橋市長選は4日、投開票される。立候補しているのはいずれも無所属で、4選を目指す現職の山本龍さん(64)=自民、公明推薦=と、市政史上初の女性市長を狙う元県議で新人の小川晶さん(41)。両陣営とも声をからして最後の票の取り込みを図っている。(鈴木学)
 争点は、3期12年の山本市政の評価や多選の是非など。両候補とも公約に給食費無償化を掲げる一方、行政運営のデジタル化や新清掃工場を巡っては意見を異にする。
 山本さんは、山本一太知事や自公関係者の応援を受け、業界ごとに総決起集会を開くなど組織戦を展開。リードを伝える情勢報道にも、「政治とカネ」を巡る問題で自民党に向く厳しい目を意識して引き締めに躍起だ。新たに高齢者世帯などを対象に1世帯3万円のインフレ対策給付金、市長給与50%カットを打ち出し「今の動きを止めない。総仕上げの仕事をさせてください」と訴える。
 小川さんは、推薦は連合群馬のみで、政党からは受けない「市民党」を掲げ、「県都に女性市長を」「チェンジ前橋」を合言葉に、変化を望む市民一人一人に支持を広げる草の根選挙に徹する。こども・子育て政策や農業支援の拡大などを重点に訴え、「街中の再開発もデジタル化も止めるつもりはありません。私が止めたいのは、市民の声を聞かない市政運営です」と力を込める。
 市議補選(被選挙数2)には元職と新人計3人が立候補しており、市長選と同じ4日に投開票される。
 投票は一部地域を除いて午前7時〜午後7時、市内の98カ所で行われる。開票は午後8時15分から市立前橋高校体育館で始まり、同9時半ごろには大勢が判明する見通し。1月27日現在の選挙人名簿登録者数は、27万5853人。
◆前橋市長選立候補者(届け出順)
◇山本龍(やまもと・りゅう) 64 無現<3>
 市長・草津町政参与(元)自民県総務会長・県議・衆院議員秘書▽早大 自公
◇小川晶(おがわ・あきら) 41 無新 
 弁護士・前橋商工会議所女性会会員(元)県議▽中大          
◆前橋市議補選立候補者(被選挙数2−候補3)=届け出順
吉原大輔 49 共新
林倫史 38 無元
小川栄治 56 維新

東京新聞 2024年2月3日 08時20分
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