原発事故集団訴訟の和解受け 東京電力がいわき市で原告に謝罪|NHK 福島県のニュース
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20240204/6050025217.html

02月04日 17時59分

東京電力福島第一原子力発電所の事故により、原発周辺の地域から避難した住民らが東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟で、去年和解が成立したことを受け、4日、福島県いわき市で東京電力が原告の代表者らに対し、「皆様の生活に被害と混乱を及ぼし、申し訳ございません」と謝罪しました。

いわき市を訪れたのは、東京電力福島復興本社の高原一嘉代表で、出席した原告の住民10人あまりに対し、「皆様の生活に被害と混乱を及ぼし、誠に申し訳ございません。事故を防ぐべき責任を負っていたにも関わらず、事故を起こしたことを深く反省します」などと、小早川社長の謝罪文を読み上げ、深く一礼しました。

裁判は、およそ13年前に発生した原発事故により、避難した南相馬市や浪江町など9つの市町村の87人が福島地方裁判所いわき支部で起こし、去年10月、東京電力が国の「中間指針」をもとに賠償金を支払うことなどを条件に、原告の住民84人と東京電力との間で和解が成立していました。

弁護団によりますと、全国各地で起こされたおよそ30件の集団訴訟の中で和解が成立したのは初めてだということです。

東京電力の謝罪のあと、原告側が会見し、南相馬市小高区の田中徳さん(58)は「私たちは震災前の生活に戻ることができていない。東京電力が福島の再生の責任を果たすことを見届けたい」と話していました。