自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件を受け、野党各党は自民批判を強めている。一方で、政権交代への機運の高まりは見えない。なぜ野党は民意の「受け皿」になり得ていないのか。民主党政権時代、野党・自民党で幹事長を務め、政権奪還を目指した大島理森・元衆院議長に聞いた。

朝日新聞の世論調査(2月17、18日)では、岸田文雄内閣の支持率は21%、自民党の政党支持率も21%で、ともに2012年の政権復帰以降最低となりました。一方、野党の支持率は立憲民主党が7%、日本維新の会が4%などで、「受け皿」になりきれてい状況が続いています。

政党にとって大事な「三つ」のこと
 ――野党にとって「チャンス」と言える状況のなか、立憲民主党をはじめ野党各党の支持率に大きな変化は見られません。

 各紙の調査を見ても、いま圧倒的に増えているのは無党派層だ。自民支持よりも多い。支持政党のない無党派層が一番多いという状況を、日本の民主主義の根本的な問題として真剣に受け止めなくてはいけない。

 政党にとって大事なことが三つある。一つ目は、政権を取ってどういう社会にしたいかという「志」。二つ目は、政権運営における現実的な「技」。運営力ともいえる。三つ目は、「数」。民主主義は最後は「数」であり、数をどう確保するかだ。

 この3点について振り返ると、旧民主党も今の立憲も、何を目指したい党なのか見えない。連合が応援団とされているが、働く人のための政党としての存在意義を本当に持っているか。

 二つ目の「技」。名称変更や分裂の歴史を持っている党に、国民は政権運営を託そうとするだろうか。政党名には志がこめられている。それが民主党から民進党になり、立憲民主党へ。で、国民民主党が分かれた。政党には、多様な意見を一つの方向に束ねていく役割がある。しかし、名前をコロコロ変えたり分裂したりする党が、その役割を果たせるだろうか。

 ――かつて自民党も、野党時代に党名変更を求める声がありましたね。

 あったが、やらなかった。新しい名前でイメージを変えようとしても、国民は本質を見抜く。日本的忍耐、我慢も必要だ。

 安倍政権時代、(小池百合子都知事が立ち上げた)希望の党に期待が集まった時があった。しかし、(民進党出身者の受け入れをめぐる「排除の論理」などで失速し)勝負は決まったなと思った。多様な意見を一つの意思にまとめるという政治の機能、その手段の一つとして政党が存在する。それには運営力が大変重要だ。

 政権を目指して戦う過程が民主主義。それなのに「次の選挙では過半数は取れないが、次の次の選挙で取る」と言った野党党首がいた。そういう姿は感動を生むか。戦う姿勢を示すべきだ。(議席が)足りなければ「勝たせてください」と言えばいい。

 ――一つの党での過半数が難しければ、野党が結集して政権交代を目指すべきだとの考えもあります。
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朝日新聞 2024年2月20日 16時00分
https://www.asahi.com/articles/ASS267VFBS25UTFK01J.html?ref=tw_asahi