お笑い芸人松本人志氏に対する報道。なかなか手を緩めない週刊文春だが、竹中平蔵氏は「ゴシップ記事は社会に不満を持った人たちが溜飲を下げるために読んでいるのです」と指摘するーー。

●私もこうした週刊誌報道に悩むことはありました
昨今、お笑い芸人・松本人志さんの週刊誌報道が話題です。私と松本さんは一度すれ違ったことがある程度の関係でしかありませんが、私もこうした週刊誌報道に悩むことはありました。
いわゆるゴシップ記事の社会的ニーズは高いです。ですが、ゴシップ記事が溢れる社会が良い社会かというと、そう思いません。人の不幸を喜ぶ、私生活をのぞき込む……。それって不健全なことではないのでしょうが、社会にはそういう部分はあります。とくに人々の不満が募れば募るほどそういったニーズは増大していきます。

つまり今の日本は社会の不満が高まっているのです。株価がバブル期以来の過去最高を更新し続けている一方で人々の実質賃金はおよそ2年にわたり下がり続けています。相対的に貧乏になり続けているのです。その根本原因は日本の成長力が低まった「失われた30年」にあり、雇用の流動性を失った経済で、企業も家計も政府からの補助金に頼るようになり稼ぐ力を失ったのです。政府の負担が増せばそれは税金にも転嫁され、国民の不満を更に高めることになっています。

●社会に不満を持った人たちが溜飲を下げるために読んでいる
話を戻すと、こうしたゴシップ記事とはそうした社会に不満を持った人たちが溜飲を下げるために読んでいるのです。はっきり言えば、読む人がいなければ週刊誌などは経営が成り立たなくなるわけですから、そもそも読む人にも責任があります。社会がいくら暗くても、それぞれやりがいを持って生きていたら、そんな芸能人のゴシップなどどうでもいいと思うのですよね。読む側に、自分なりに明確なやりたいことがあって、それに向かって努力していたら、それが成功しつつあったら、そんな他人の私生活を暴くような記事に「いいね」なんてしません。

続きはYahooニュース みんかぶ
2024/02/23 9:10
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