無料のセキュリティソフト「Avast Antivirus」で知られるAvastが、ユーザーのウェブサイト閲覧データを販売したとして、アメリカの連邦取引委員会(FTC)から1650万ドル(約25億円)の支払いを命じられました。

Avastは、トラッキングをブロックするプライバシー保護機能を備えたウイルス対策ソフトやモバイルアプリ、ブラウザの拡張機能を提供している老舗のセキュリティ企業です。しかし、実際には子会社・Jumpshotを通じてデータを他企業に販売していたことが2020年1月に発覚しました。その後、AvastはJumpshotの業務を停止しています。

FTCは2024年2月22日に、「Avastとその子会社が、トラッキングから消費者を保護すると約束しておきながらデータを第三者に販売したとの告発を解決するため、両社に対して1650万ドルの支払いと、広告目的での閲覧データ販売やライセンス供与を禁止することを義務づけます」と発表しました。

FTCによると、Avastは同社の製品から抽出された閲覧データを2014年から2020年1月までチェコの子会社を通じて販売しており、それらのデータの中にはユーザーの政治的傾向、所在地、経済状況、宗教的な信念、健康上の懸念などが含まれていたとのこと。Avastは、これらのデータを収集し販売していることを消費者に通知していなかっただけでなく、むしろ自社製品がインターネット上での追跡を抑えると主張していました。

広告会社やマーケティング会社、データ分析会社やデータブローカー業者を含む100社以上に販売されたユーザーのデータは膨大で、Jumpshotが2014年から2020年までに販売していたデータは8PB(8000TB)以上だとされています。

FTCの消費者保護局長であるサミュエル・レビン氏は声明で、「Avastは、自社製品が閲覧データのプライバシーを保護するとユーザーに約束しましたが、実態はその逆でした。このおとり商法的な監視戦術は、消費者のプライバシーを侵害し、法律に違反しました」と述べました。

以下ソース
https://gigazine.net/news/20240226-ftc-ban-avast-selling-browsing-data/