塩野義製薬が開発した国産初の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、厚生労働省の専門家部会は4日、製造販売の通常承認を了承した。体内のウイルス量減少など、薬の有効性を示す追加データを踏まえて問題ないと判断した。2022年11月、軽症・中等症向けの治療薬として緊急承認されていた。厚労省が近く正式に承認する。

【写真】コロナ飲み薬の処方率、自己負担となった10月から急落…「ゾコーバ」など3種類

 ゾコーバは、医薬品を迅速に審査する緊急承認制度の初適用を受け、1年の期限付きで製造販売が認められた。〈1〉臨床試験で有効性が確認された結果を提出する〈2〉副作用などのリスクを最小化する計画を策定し、適切に実施する〈3〉患者から文書で同意を得て投与する――という条件がついた。塩野義は昨年6月、いずれの条件も満たしたとして、通常承認を申請した。

 ゾコーバは、医師の処方が必要で、12歳以上が対象となる。発症3日以内に飲み始め、1日1回5日間服用する。喉の痛みやせき、発熱などの5症状がなくなる時間を約24時間短縮する効果があるとされる。

 塩野義は今年2月までに約102万人に使用されたと推定する。胎児に悪影響が出る恐れがあるため、妊婦には投与が禁じられているが、これまでに使用が確認された妊婦は35人に上っている。

 4月から、新型コロナ治療薬への公費支援がなくなる。自己負担額は1回あたりの治療(5日間)で現在3000~9000円だが、5200~1万5500円になる。

Yahoo!Japan/読売新聞オンライン 3/4(月) 20:26配信
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