投資誘う偽アカウント横行、カリスマ投資家・株主優待利用者・証券会社…詐取トラブル相次ぐ
2024/03/05 15:50 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240305-OYT1T50097/


空前の株高が続く中、著名投資家や証券会社になりすましたフェイク広告や偽アカウントがインターネット上に横行し、投資初心者がお金をだまし取られるトラブルが相次いでいる。金融庁などが注意喚起しているが、専門家は、被害の回復や予防のためには広告を掲載する事業者の積極的な情報開示が必要だと指摘している。(落合宏美)

5000万円以上振り込み

「数十万円を100億円超に増やした」。昨年夏、投資を始めたばかりの東北地方に住む50歳代女性のスマートフォンに、「カリスマ」として知られる投資家の業績を紹介するポップアップ広告が表示された。「投資の参考に」と考えた女性は指定されたアカウントに登録し、この投資家から指導を受けているメンバーが集まるというLINEグループに招待された。

やがて「カリスマ」と名乗る人物とやりとりを始めると、投資の知識が豊富な上、助言も的確で、「同郷だね」などと私的なメッセージも届くように。他のメンバーが「数十万増えた!」などと書き込むのを見てすっかり信用した女性は、「今月はチャンス。お金は戻るから頑張ろう」と促されるまま指定の口座に計5000万円以上振り込んだ。

ところが、返金を求めても説明を二転三転させて応じないため、投資家の公式X(旧ツイッター)に連絡したところ、本人から「(その人物は)私とは違います」と返事が届いた。だまされたと気づいた女性は警察に被害届を出したが、投資家になりすましていた人物は見つからず、お金は戻っていない。預金が底をつき、生命保険も解約した女性は「本人が出した広告だと信じ込んでしまった」とうなだれた。

投資家のもとには、女性と同様の問い合わせが複数寄せられているという。投資家は取材に「信頼してくれた人の気持ちを利用され、憤りを覚える」と話した。


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