6日の参院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の報道を巡り、自民党の有村治子氏が「安倍派」の呼称使用を批判する一幕があった。有村氏は「今は亡き安倍晋三氏が派閥を率いているわけではなく、むしろ不透明な資金管理をやめるよう働きかけていた」と擁護。正式名称は清和政策研究会だとして「『清和研』『清和会』と報道されるべきだ」と注文を付けた。有村氏は麻生派に所属している。
◆自民席から「そうだ」「そうだ」
 安倍派は、会長を務めていた安倍氏の死去を受け、2022年7月に臨時幹事会を開催。同氏の功績などを踏まえ、「安倍派」の名称を残した上で、当面は会長職を置かずに複数の幹部で運営することを決めていた。
 有村氏は「安倍氏の名前だけが不祥事で使われ、あたかも(政治資金収支報告書への)不記載を扇動したかのような報道が毎日出されるのはいたたまれない」と主張。「亡くなった方は釈明も弁明も反論もできない。フェアプレーではない」と持論を展開した。質疑中、自民の委員席からは複数回「そうだ」と同調する声が上がった。
 見解を問われた岸田文雄首相は「特定の政治団体の報道上の呼称についてコメントすることは控える」とした上で、「私自身は国会で答弁する際、正確性を期す観点から、清和政策研究会という言葉を用いてきた」と述べた。(大野暢子)

東京新聞 2024年3月6日 17時25分
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