米大統領選に向けた共和党の指名候補争いで、ヘイリー元国連大使(52)が6日、選挙戦からの撤退を表明した。ただ、5日に投開票された14州でトランプ前大統領(77)に敗北したものの、バーモント州では勝利。敗北した複数の州でも3割以上の支持を得るなど、共和党内にトランプ氏の再選を望まない一定の「反トランプ票」があることを鮮明にした。

 ヘイリー氏は6日午前に地元サウスカロライナ州で演説し、撤退を表明。「米国民の声が届くようにしたいと言ってきた。実際にそうすることができた」と述べ、選挙戦が一定の成果を上げたとした。

 またトランプ氏に対し、11月の大統領選本選に向けて「(トランプ氏を支持しなかった)党内外の人々からの投票を得られるかは、トランプ氏次第だ」と述べ、自身の支持層を取り込む必要があると強調した。トランプ氏への明確な支持は表明しなかった。

 ヘイリー氏には、28年の大統領選に向け、知名度を高める狙いもあるのではないかとかねてみられてきた。今後については、「声を上げることをやめない」と述べるにとどめた。

 ヘイリー氏の陣営は、出馬表明をした約1年前の支持率は2〜3%だったのに対し、最近では30〜40%の票を得ることがある「支持率の伸び」を強調していた。背景には、ヘイリー氏が共和党内の「反トランプ票」を一手に集め、トランプ氏とバイデン大統領による戦いを望まない無党派層の受け皿にもなってきたことがある。

ヘイリー氏支えた「反トランプ」の声
 トランプ氏が共和党内に約3…(以下有料版で,残り1008文字)

朝日新聞 2024年3月7日 5時30分
https://www.asahi.com/articles/ASS367QZ3S36UHBI01Q.html?iref=comtop_7_04