賃貸住宅を探す生活保護受給者を優先的に紹介する見返りに現金を授受したとして、収賄罪に問われた元茨木市職員の正瑞(しょうずい)千人(かずひと)被告(38)と、贈賄罪に問われた豊中市の不動産会社代表取締役茶谷光嗣(こうじ)被告(43)の判決が7日、大阪地裁であった。中川綾子裁判官は、正瑞被告に懲役1年6カ月執行猶予3年と追徴金61万3千円(求刑懲役1年6カ月、追徴金61万3千円)、茶谷被告に懲役1年執行猶予3年(同懲役1年)を言い渡した。

 判決によると、正瑞被告は茨木市生活福祉課職員だった2019〜21年、生活保護受給者を紹介する見返りに茶谷被告から50万円、別の不動産業者から11万3千円を受け取った。

 中川裁判官は正瑞被告について、現金の授受を茶谷被告側に持ちかけるなど「積極的に犯行に及び、職務の公正や社会の信頼を損ねた」と指摘した。その上で、両被告とも前科がないことなどから執行猶予が妥当と結論づけた。(堀之内健史)

日本経済新聞 2024年3月7日 18時47分
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