※2024/03/14 06:55
読売新聞

 中国の 習近平シージンピン 政権が、今秋の米大統領選で共和党の候補指名が確実となったドナルド・トランプ前大統領が勝利する事態を警戒している。トランプ政権時代のように貿易を中心とした対立激化が予想されるためで、トランプ氏当選に備え、欧州との関係強化にも動いている。

 中国外務省の 汪文斌ワンウェンビン 副報道局長は13日の記者会見で「米国内政への不干渉」姿勢を強調し、「誰が大統領になっても中国とともに安定的で健全な両国関係を推進してほしい」と述べた。トランプ政権時代に中国が米国の選挙に干渉していると非難されたことを意識している模様だ。

 バイデン大統領がトランプ氏を破った2020年秋の大統領選では、国内産業保護を求める有権者の支持を狙い、双方の対中批判がエスカレートした。習政権は、今回の大統領選で対中政策が争点にならないよう、昨年11月に米中首脳会談を行い、関係の安定化に努めてきた。

 しかし、米紙ワシントン・ポストは1月下旬、トランプ氏が返り咲けば、中国からの輸入品を対象に一律60%の関税賦課を検討していると報じた。トランプ氏は米テレビの取材に、この報道を認めた上で「(税率は)もしかしたらそれ以上かもしれない」と述べた。

 「地政学的な対立や世界的な選挙イヤーが(貿易に)多くの不確実性をもたらす」。 王文濤ワンウェンタオ 商務相は全国人民代表大会(全人代=国会)期間中の6日、記者会見でこう語った。名指しは避けつつ、トランプ氏への強い警戒感をにじませた。

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