維新の県議だった中村美香氏(37)の当選無効確定を受け、埼玉県選挙管理委員会は19日、選挙会を開き、2023年4月の県議選南1区(草加市、定数3)で次点で落選した小森克己氏(49)=立民=の当選を決定した。
 県議選では同区に4人が立候補し、中村氏が3位、小森氏が4位だった。今回議席を得た小森氏は初当選。証券会社で勤務経験があり、その後も証券アナリストとして活動。この日は当選証書を受け取り、「うれしい。当選の時期にかかわらず、経済分野での知見を生かして取り組んでいきたい」と喜びを語った。小森氏は会派「民主フォーラム」に所属する。
 失職した中村氏を巡っては、立候補の要件である県内同一市町村に3カ月以上継続した居住実績がないとして、選管が昨年7月、当選無効を決定。中村氏側は決定の取り消しを求めて提訴したが、最高裁が今月15日付で上告を棄却し、当選無効が確定した。
 県選管によると、中村氏の得票数はゼロとなり、供託金60万円は没収される。議会事務局によると、議員報酬1276万円余については返却義務はない。
 初めて獲得した県議会唯一の議席を失うことになった維新の県総支部は19日、コメントを発表。「皆さまの信頼を損ね、ご迷惑をおかけした」と陳謝し、「指導が不足していたと重く受け止め、再発防止に努める」とした。
 中村氏自身もX(旧ツイッター)に「県民に多大な迷惑をかけ、一票を投じた有権者の信頼を裏切る形となり、申し訳ない気持ちでいっぱい」と投稿し謝罪した。(飯塚大輝)
 県議会の新たな会派構成は次の通り。
 自民57▽民主フォーラム12▽公明9▽県民7▽共産党3▽改革1▽無所属3(欠員1)

東京新聞 2024年3月20日 07時38分
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