宗教法人法に基づく調査で回答を拒んだとして、文部科学省が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に過料を科すよう求めた裁判で、東京地裁は26日、教団に10万円の支払いを命じる決定をした。

文部科学省は2022年11月以降、教団に対して質問権を計7回行使した。教団側が組織運営や資金の流れに関する質問など500項目のうち100項目以上に回答しなかったとして、同省が23年9月、東京地裁に過料を申し立てた。

宗教法人法は「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などがあった場合、裁判所が宗教法人の解散を命令できると定める。該当する疑いがある法人には質問権の行使が認められ、回答を拒んだり虚偽の報告をしたりすれば行政罰として10万円以下の過料を科せると定める。

教団側は裁判で、同法が解散命令の要件とする「法令違反」に民法上の不法行為は含まれないと主張。教団幹部による刑事事件は確認されておらず「要件に該当する疑いがないのに違法に質問権を行使した」とした。

これに対し、東京地検は「質問権の行使は適法で回答拒否に正当な理由はない」として、過料を科すべきだとの意見書を東京地裁に提出した。

教団を巡っては、文部科学省が23年10月、東京地裁に解散命令を請求し、過料と別の裁判で審理が進められている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE223PX0S4A120C2000000/