小林製薬(大阪市)の紅こうじのサプリメントを摂取した人から健康被害の報告が相次いでいる問題で、厚生労働省は28日、同社製の紅こうじ原料の供給を受けている食品メーカーなど173事業者を公表した。同省は173事業者全てに対し、健康被害の有無について報告するよう求める方針を決めた。

 厚労省が28日の専門家会議に示した資料によると、小林製薬は紅こうじ原料を52事業者に卸しており、さらに卸などを通じて173事業者が供給を受けているとしている。173事業者に対し厚労省は、「過去3年間に医師から健康被害の報告があった」かどうかなどについて事業者が自主点検した上で、4月5日までに報告するよう求める。

 また厚労省は同社の報告から、健康被害で入院治療が必要になった患者数について106人と公表していたが、重複をのぞくと93人になると明らかにした。健康被害などの同社への相談件数(27日時点)については約1万2000件になった。

 厚労省はまた、小林製薬製品で健康被害の原因となった物質について、国立医薬品食品衛生研究所が中心となって解明を進めることも決めた。

厚生労働省が公表した、小林製薬の紅こうじ原料の供給を受ける173事業者(※この事業者の製品がただちに健康被害をもたらすものではない)
 小林製薬の「紅麹(こうじ)コレステヘルプ」など3製品について厚労省は、有毒・有害な物質が含まれている疑いがあると判断している。大阪市は27日、食品衛生法に基づいて回収を同社に命令している。【添島香苗】

毎日新聞 2024/3/28 19:53(最終更新 3/28 21:16)
https://mainichi.jp/articles/20240328/k00/00m/020/363000c