長期にわたって続くガソリン価格への補助金に対し、脱炭素という点から疑念の声があがっている。政府は2022年1月からガソリン補助金を始めたが、度々期間を延長。今年4月末までとしてきた期限もさらに延ばすことにした。ガソリン需要を下支えし続けることは世界の潮流と逆行している。

 ガソリン補助金は原油高に対する激変緩和措置として導入された。全国平均のガソリン価格が1リットルあたり170円以上になった場合に、1リットルあたり5円を上限に燃料油元売りに支給する。

 22年1月以降、今回で期限の延長は7度目になった。すでに6兆円超かかったという。

 斎藤健経済産業相は29日の閣議後会見で、「脱炭素化を進める観点を踏まえると、いつまでも続けるものではない」としつつ、「国民生活や経済活動への影響も考慮しなくてはいけない」と述べた。

 ガソリン補助金は財政面での負担が大きい上、脱炭素に逆行しているという指摘がある。燃やせば温室効果ガスを出すガソリン需要の下支えにつながるからだ。

「ガソリン補助金が需要下支え」
 国内で排出される温室効果ガスのうち、運輸部門由来は17%で、うち9割が自動車からの排出が占める。ガソリン車は走行時に二酸化炭素のほか、大気汚染物質を排出するため、電気自動車(EV)などの転換することが求められる。政府はEVなどの購入に補助金を出し、35年までに国内の新車販売の100%をEVやハイブリッド車などにする目標を掲げている。

 一方で、ガソリン補助金はガ…(以下有料版で,残り1056文字)

朝日新聞 2024年3月30日 16時00分
https://www.asahi.com/articles/ASS3Y5536S3GULBH00D.html?iref=comtop_7_02