【パリ、シドニー、ロンドン時事】パレスチナ自治区ガザで食料支援に従事していた国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」職員7人がイスラエル軍の空爆で死亡したことを受け、犠牲者の出身国に衝撃が広がった。各国首脳らは一斉に非難の声を上げ、イスラエルに事態の調査や説明を求めた。
 ブリンケン米国務長官は2日、訪問先のパリで、フランスのセジュルネ外相と共同で記者会見。空爆に関してイスラエル政府と直接対話を行ったと説明した上で、「何が起きたかを正確に理解するため、迅速かつ徹底的で公正な調査を促した」と述べた。

空爆でNGO米英職員ら死亡 イスラエル、「悲劇的事件」と実行認める―国際圧力の高まり必至

 オーストラリアのアルバニージー首相は2日、「起こしてはならない悲劇だ」と厳しく非難し、イスラエルに十分な説明と持続的な停戦を強く求めた。豪政府はこれまでもイスラエルに停戦を促してきたが、アルバニージー氏は今回の事件を受け、「合理的な状況を逸脱している。豪国民は紛争の終結と長期の政治的解決を望んでいる」と記者団に語った。

 キャメロン英外相はX(旧ツイッター)で「人道支援活動家が保護され、職務を遂行できることが不可欠だ」と強調。イスラエルに対し「何が起きたのか直ちに調査し、完全で透明性のある説明をするよう求めた」と明らかにした。

 ポーランドのドゥダ大統領もXで、「これらの勇敢な人々は奉仕と献身によって世界をより良い方向に変えた」と犠牲者を追悼。その上で、「この悲劇は決して起こってはならないものだ」と述べ、イスラエル政府に説明を求めた。

時事通信 2024年04月03日00時46分
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