フランク・ガードナー BBC安全保障担当編集委員

英統合軍の元司令官、サー・リチャード・バロンズは、ウクライナが2024年にロシアに対して敗北するかもしれないとBBCに話した。

バロンズ将軍は、ウクライナが今年負ける「深刻なリスク」があるとBBCに述べた。「自分たちは勝てないと、ウクライナが思うようになるかもしれないからだ」と、将軍は理由を説明した。

「その状態にウクライナが達した時点で、守り切れないものを守るだけのために戦い、死ぬことを、大勢が望むだろうか」

ウクライナはまだその状態に達していない。

しかし、ウクライナ軍の持つ砲弾や人員や防空能力は、危機的な状態まで枯渇(こかつ)しつつある。大いに期待された昨年の反転攻勢は、ロシア軍を占領地域から追い出すには至らず、ロシア政府は今や今年夏の攻勢に向けて準備を本格化させている。

では、ロシアの夏の攻勢はどういうものになるのか。その戦略上の目的は、何になるのか。

「想定されるロシア軍の攻勢がどういうものになるのか、それはかなりはっきりしている」と、バロンズ将軍は言う。

「前線のロシア軍は銃弾、砲弾、人員の数で5対1の比率で相手に勝っている。それに加えて、新しめの兵器の導入で、優勢が強化されている。これを利用してロシア軍は徹底的に(ウクライナ軍を)たたいている」

「新しめの兵器」には、FAB滑空爆弾も含まれる。旧ソヴィエト連邦時代の無誘導爆弾を改良したもので、安定翼やGPS誘導装置を備え、爆薬1500キロを積み、ウクライナ軍の防衛態勢を大混乱に陥れている。

「今年の夏、ロシア側がある時点で、大規模な攻勢を仕掛けると予想される。わずかに相手をたたいて前進するだけでなく、ウクライナ軍の前線を本格的に突破しようとするかもしれない」と、バロンズ将軍は話す。

「もしそうなれば、ロシア軍が突破侵入し、ウクライナ軍がそれを阻止できない位置までウクライナ領内に入り込み、それを拠点にして利用しようとするかもしれない」

しかしそれはどこなのか。

ロシア軍は昨年、ウクライナがどこから攻めてくるか、正確に予想していた。南部ザポリッジャからアゾフ海を目指す方向だ。これを正確に予想し、適切に備え、そしてウクライナの前進阻止を成功させた。

今度はロシアが攻勢に転じる番だ。ロシアは軍勢を集約しているが、次の攻撃局面がどこになるのかウクライナ政府は推測するしかない状態だ。

イギリス王立防衛安全保障研究所(RUSI)の上級研究員、ジャック・ワトリング博士は、「どこに部隊を集中させるか、ロシアには選択の余地がある。これはウクライナが抱える難題のひとつだ」と説明する。

「前線はとても長い。そしてウクライナはそのすべてを防衛しなくてはならない」

もちろんそんなことは無理だ。

「ウクライナ軍は地歩を失うことになる」と、ワトリング博士は言う。「問題は、どれだけ失うのか。そしてどの人口密集地がそれによって影響を受けるのか、だ」。

ロシア軍の参謀本部が、どの方向に勢力を集めるのかまだ決めていない可能性もかなりある。しかし、大まかに言って、3つの場所が可能性として考えられる。

(省略)

確かなことがひとつある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ侵攻をやめるつもりなどまったくない。

ポーカーの勝負で、手持ちのチップをすべてかけているプレイヤーのようだ。ウクライナが防衛に必要な装備を、西側は提供しない――それがプーチン氏にとって頼みの綱なのだ。

北大西洋条約機構(NATO)でどれだけ首脳会議が開かれても、どれだけあちこちで会合が開かれ、感動的な演説が相次いでも、プーチン氏の計算通りになる可能性がある。

4/13(土) 13:28配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/8fcdcca9fec9c345166c289e2ef600ffcc77833a
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★1:2024/04/13(土) 19:17:25.12
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